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新世紀ルーツへの巡礼
使徒の女王大聖堂
8) イメージでたどる使徒の女王大聖堂: 大聖堂の中 3
聖師イエス・キリストの祭壇
聖師イエスの画の左右にあるマタイ、マルコ、ルカ、ヨハネの4人の福音史家のレリーフ
大聖堂の左側の壁前方には、聖師イエス・キリストの祭壇があります。
この祭壇の後ろには、門のようなものがあり、そこには、マタイ、マルコ、ルカ、ヨハネの4人の福音史家が大理石で刻まれています。門は開かれており、その奥には聖師イエス・キリストの画があります。
聖師イエス・キリストは、左手に本を持ち、それには“私は道・真理・いのちである”とラテン語で書かれています。聖師イエス・キリストは地球の上に立ち、イエスは後光に包まれ、十字架の光があります。
キリスト教芸術のはじめに、師であるキリストのイコンがいろいろの人によって描かれ、大切にされてきました。そのキリスト画の特徴ある姿は、権威をもって教えている師キリストです。
従来の師イエスの画 |
これらの画のどれにも共通に見られるものは、次のようなものです。
※ 教壇
ギリシアにおいて、教壇は普通“椅子”の意味がありました。高い背もたれのある裁判官などが座るようなどっしりした椅子です。教師は、背もたれの椅子に座り、足を曲げ、そこから教師の座を執行し、生徒は背もたれ(ひじ掛け)なしの木の椅子に座っていました。
ローマ人にとって、教壇は背もたれのあるひじ掛け椅子で、座(王座)は教師や執政官の椅子です。
※ 左手に巻物や本を持っている
※ 師としての服装
マントとかガウンのような上着、パリウム=外着で左肩からまとって、右肩の上または下で縛りとめたもの
※ 右手は演説するようなジェスチャー
パウロ家族の発展期において、精神は一つであっても、各会の経営は独立していることをどのようにして両立させることができるかが、アルベリオーネ神父の課題でした。
アルベリオーネ神父は、「何よりもまず、神の国と神の義を求めなさい。そうすれば、これらのものはみな加えて与えられる」(マタイ 6.33)との言葉から、この課題解明のためのインスピレーションを得ています。
アルベリオーネ神父は、パウロ家族の考え・祈り・活動のすべての中心に、福音のこのダイナミックな三つの柱で表されているキリストを据えました。「私たちが生まれたのは、道であり、真理であり、いのちである師イエスを、人々に伝えるためです」、「私たちの師であるイエス・キリストにかわって、私たちが神のペンとも口ともなりましょう」と彼は言っています。
朝には彼のみもとにとどまって申しあげましょう。
あなたは道そのものです、あなたの足跡に踏み従っていきたいのです。
あなたの模範に倣いたいのです。
あなたは真理そのものです、照らしてください!
あなたはいのちです、恵みをお与えください!
アルベリオーネ神父
この祭壇奥に描かれている師イエス・キリストのイメージには、伝統的な師キリストのイコンとの共通要素と、それとは異なる要素があります。
※ 共通点:
- 師キリストが、左手に開かれた本を持っています。
その本には、「わたしは道であり、真理であり、命である」(ヨハネ 14.6)と書かれています。
“開かれた”本の中に、師キリストの啓示、内容、教え-聴くという大切な要約があります。
-弟子としてそこから毎日受け取るべきこと
-すべての人に、すべてのメディアでそれをコミュニケーション、告知すること - 師キリストの厳かな右手は、彼に注意を向けるように求めています。
-「私のもとに来なさい」、私の弟子でありなさい、私に聞きなさい
-「私から学びなさい」、心柔和謙遜な私のようになりなさい - 師キリストは赤いマントのようなものをまとっています。
白と赤の色は、キリストの神性と人性を示していると言われます。
※ 異なる点:
従来の画は荘厳な椅子にかけているものが多いのですが、ここでは、
- 師キリストは、地球の上にサンダルを履いて立っています。足には動きがあります。
師キリストは、座っているのではなく、立っています。荘厳な椅子の上にではなく、地球の上に。履き物はサンダルです。 - 師キリストの動きのある姿は、“旅をする師”の姿です。
いつも旅をしながら“よき訪れ”を述べておられた聖師の姿が浮かびます。
アルベリオーネ神父は「この世界を真理と愛でいっぱいにすること、人類にイエス・キリストを伝えること、人類をイエス・キリストに連れていくこと」と言っています。 - 師キリストの手、足には受難のしるしである傷跡があります。師キリストは十字架につけられた方です。
- この聖師の後ろは十字架の光と後光で照らされています。
光は復活されたキリスト、栄光のキリストを示しています。またこの方は、「ここから照らそう」と言われた方です。
福音記者マタイ |
福音記者マルコ |
福音記者ルカ |
福音記者ヨハネ |
この絵は、門に似た輪郭のなかにおさまっています。門のような所には、マタイ、マルコ、ルカ、ヨハネの4福音記者が彫られています。
それは、パウロ家族にとって「福音書がすべての本と出版物のモデル」であり、「福音を尊ぶこと……説教を福音に適合させる」ことが使命であるからです。アルベリオーネ神父は、「めいめいは自ら光の伝達者、イエスの拡声器、福音史家と聖パウロ、聖ペトロ……の秘書であると考える」ようにと言っています。
師キリストの画のある門は、聖師の神秘、見えない世界へと弟子たち(パウロ家族の一人ひとり)を導くために開かれ、このキリストから養成されます。
画の下には、「道・真理・いのちである師イエス、私たちをあわれんでください」との言葉が書かれています。
この短い祈りは、パウロ家族では、ずっと、そして、今も大切にされている祈りです。
この祈りを唱えるたびごとに、ことに一日のはじめ、使徒職のはじめ、一日を閉じるときに、「ただキリストのみがこの世にたいする父の愛を啓示しながら 人間の神秘とその召命の全容を人間に示す」ことができる方であると私たちは信じ、告白するのです。
みことばと聖体は 私たち使徒の召命の光であり力である。
注意深く、温順に、祈りの心をもって、キリストを知るというすぐれた知識の福音を受け入れ、私たち自身を変えていただこう。
私たちは聖体の師との交わりに入り、師とともに御父にささげられ、多くの人のいのちのパンとなって裂かれていく。
世界の期待と喜びと苦悩をたずさえて師のもとに行き、礼拝し、取り次ぎ、霊がどこにみことばのための新しい道を開いてくださっているかを見わける。
「恐れることはない、私はあなた方とともにいる。ここから照らそう。罪を悔いる心を保ちなさい」。
本会の召命の歴史を特色づけるこの約束のゆえに、すべてを師キリストから期待する。
聖パウロ女子修道会 会憲 より
祈り:→ 師イエスに対する射祷
◆5--4 使徒の女王大聖堂
- 1) アルベリオーネ神父とマリア
- 2) 使徒の女王大聖堂の建築
- 3) 使徒の女王大聖堂を訪ねて
- 4) イメージでたどる使徒の女王大聖堂:ソットクリプタ
- 5) イメージでたどる使徒の女王大聖堂:クリプタ
- 6) イメージでたどる使徒の女王大聖堂:大聖堂の中 1
- 7) イメージでたどる使徒の女王大聖堂:大聖堂の中 2
- 8) イメージでたどる使徒の女王大聖堂: 大聖堂の中 3
- 9) イメージでたどる使徒の女王大聖堂: 大聖堂の中 4