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新世紀ルーツへの巡礼

目次

最後の奉献

6)シスターテクラ・メルロの霊的遺書:ペンだけでなく心で

シスターナザレーナと共に
シスターナザレーナと共に

いのちを主にお返しする時が近いと感じていたシスターテクラ・メルロは、会員たちに次のような霊的遺書を残しました。現在も会員たちは、母としての心がにじみ出ている彼女の遺志を心に刻み、こころをあらたにしているものです。

愛するみな様、

みな様に、そして一人ひとりに特別にこれを書いています。どなたも、そしてどの修道院でも、することが たくさんあるのを知っています。主はたたえられますように。これは恵みで、私たちが自分のうちに閉じこもり、貴重な時間をむだにすることから守ってくれます。

一人ひとりができることを、ただ神の愛のためにしてください。全部に手が届かなくとも、あせらないでください。でも、できるかぎりのことはしてください。

第一のことは私たちの霊魂への配慮であり、ミサ聖祭、黙想、聖体訪問、良心の糾明といった信心業を、すべてよくすることなのだ ということを覚えていてください。私たち自身が、霊的に養われていないならば、人々に善を行うことはできません。

私たちの精神、私たちの信心に、忠実にとどまりなさい。脱線に気をつけましょう。よかれかしと思って、いろいろなことを勧める人がいるのを知っています。しかし、私たちはいつも、生きるも死ぬも永遠において、パウロの娘でなければなりません。

本修道会のために、聖人になることを願い求めましょう。
修道会は、能力のある人とか、働く人とか、騒ぎたてる人を必要としていません。聖人を必要としているのです。私たちのなかで 聖人になろうと努めている人はだれでしょうか。みながそうしておられることを希望しています。会憲を守ることによって聖性に達します。これが聖性に達するための 私たちの道なのです。そして、修道会で与えられる指針に従うことです。

私たちが一つの心、一つの魂となり、みなが一つでありますように。だれも、ふらついて道から迷い出てしまうことがありませんように。近ごろ、悪魔は修道者をだめにしようとしてさかんに働いています。しかも、善という仮面のもとにです。注意しまうょう。どんなたくらみを使って悪魔は入ってくるか 知りたいとお思いですか。あることを必要な許可を得ずに行わなければならない、と勧めます。つまり、隠れて……そして、後は悪魔が続けるのです。気をつけましょう。

幼きイエスを受ける準備をよくするために、彼のお嫌いなものすべてを心から取り除き、そして聖母に祈りましょう。聖母ご自身がなさったように、感情だけではなく 善意に満ちた愛、神の愛で私たちの心を満たしてくださいますように。単なる感情は、脱線に導きやすいものです。けっしてこのようなことがありませんように。私たちの愛は、私たち自身や自分のことからの離脱であり、上長と会憲への従順でできた愛、誠実、温順、自分の義務への寛大な献身、共同生活への忠実、指針に従う敏速さ(……)などでできた愛でありますように。

私たちと神との間に何ものも置かず、どんな小さなことも そこにありませんように。あなた方のため、みな様のために、みな様が召されている聖性に到達できるよう お祈りしています。たくさんお祈りします。

これを ペンだけでなく心で書いています。あなた方みなが聖人でありますように。このために、私は自分の命をささげました。みなさまのために。私たちみなが、主の望んでおられる聖性に達するために。

この手紙を、聖母ご自身から受け取るのだと想像してくださいますように。聖母がこの手紙を幼きイエスに渡してくださいますように。
あなた方が 深い善意をもっておられることを知っていますし、いっそう前進していかれることも確信しています。私たちを救うために来られた幼きイエスが、私たちみなを祝福してくださいますように。

1961年降誕祭
愛をこめて

◆10-2 最後の奉献


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