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新世紀ルーツへの巡礼
アルベリオーネ神父の晩年
2) 聖パウロ女子修道会創立50周年を迎えて
シスターイグナチア(左)とシスターテクラ(右)
1965年、2代目総長シスターイグナチア・バッラのもとで歩み出した聖パウロ女子修道会は、第2バチカン公会議という教会の大きなうねりの中で、創立50周年を迎えました。
シスターイグナチアは、創立者が彼女に語った、「修道会は神のものだ。彼は主人、私たちはしもべです」との言葉を内省し、自分をはじめみなの心にこのことが深くしみこむことを希望します」と言っています。
そして、次のように書いています。
「修道会は神のものだ。彼は主人、私たちはしもべです」という真理について深く考えましょう。修道会は神のもの。神がこの修道会の存在を望まれました。そして、人間的に考えれば全く不適当な状態の中で、修道会が生まれるようになさいました。そして、強くて上知に満ちた指導者プリモ・マエストロ(アルベリオーネ神父)とプリマ・マエストラ(シスターテクラ・メルロ)をお与えになりました。
2人の信仰はすばらしく、それゆえすばらしいことを行う可能性もありました。2人によって主は修道会を導き、すばらしい発展をさせてくださいました。神の恵みはこの50年に、なんと多くの善を修道会に行わせたことでしょう。
これは認めないといけないことです。「植える者も水を注ぐ者」(1コリ 3.7)も支えてくださる主、そして聖パウロが言うようにあらゆる善行に実を結ばせてくださる主に感謝するためです。……修道会の主人である神が、すべての分野で必要なことは与えてくださることを忘れないようにしましょう。……来年主は私たちの修道会、もともと主のものであるこの修道会から何を望んでおられるでしょうか。一緒に考えましょう。
創立50周年を迎えるにあたり、アルベリオーネ神父は年の黙想の参加者たちに次のように語っています。
あすは、修道会創立50周年という記念すべき大切な日です。
シスターイグナチアはこの1日をどう過ごすべきかについて書いています。
「修道会から受けたたまもの、恵みに感謝するため、できるだけ第2の歌ミサ(当時は祝祭日は2つのミサにあずかっていた)にあずかること。どこの修道院でも、これにちなんだ黙想を行うこと。ローマから送られるプログラムに従って聖体礼拝を行い、できるところでは聖体降福式にあずかるよう配慮すること……
前進! 私たちの道を常に前進しましょう。たとえ苦労が多くても天国に通じるすばらしい道です。この道の終わりには私たちを待っておられるキリストがおいでになります」と結んでいます。
50周年と言いますが、これは私とシスターテクラ・メルロとのはじめての出会いの日から数えてのことです。それは神に祝福された日でした。
今ここで、シスターテクラ・メルロの1通の手紙の中に書かれた勧めをあなたがたに思い出させることはよいことだと思います。
「聖性は会憲の遵守の中にある」
私は一つのことを言いたいと思っていますが、このことを言ったらあなたがたの気分をそこねるのでしょうか。
会憲の遵守を主決心とする人を私はあまり見ません。会憲に生きること。会憲は私たちがそれを守る時、すべての行為は神のみ旨に従っているということを保証してくれます。なぜなら、教皇によって直接認可されたからです。もしそうだとすれば、他のどんな手引きが必要だと言うのでしょうか。
シスターテクラ・メルロは修道女たちに向かって「あなたがたはいったい、いつ「会憲」という言葉を口にしますか」と聞いています。この手紙は1961年に書かれたものですが、私の手元には、今日それが届いたので、私ははじめて読みました。
「あなたがたはいったい、いつ「会憲」という言葉を口にしますか」と、手紙をあてた修道女たちに注意を促して次のように書いています。
会憲に生きることが必要です。あの人の忠告を聞き、この人の勧告を求める人がいます。会憲の中に勧告があります! それなのに、他のどんな指導者を求めようとするのですか。
私たちは、福音書と、福音書の最もよい注解者である聖パウロの手紙を読み、教会の教導に従わなければなりません。
主があなたがたの修道会の生まれることをお望みになった時に対する感謝をもって、あすは荘厳に、テ・デウム(賛美の賛歌)を歌うこと。この時の到来を待ちつつ、多くの祈りがなされました。みなこの時を待っていました。
そしてそれは、ある意味において、マリアの取り次ぎによってもたらされたと言えます。「時はまだ来ていない。だが、おそからずマリアがそれをもたらしてくださるだろう」ということができました。こうしてマリアの力によって、イエスがご自分のミッション、説教をはじめられ、救世主たることを示し、奇跡を行われ、彼に従っていた人は彼において信じた、と福音書には書いてあります。
あなたがたの修道会は、すばらしい使命をもっています! この使命によく生きなさい。
アルベリオーネ神父はこう講話を結んでいます。
「喜びのうちに神に感謝なさい。そして祝されたあなたがたの使命を生き続けなさい。」
1967年8月10日にシスターテクラ・メルロの列福調査の申請の手紙が聖パウロ修道会のラメラ神父から出されていましたが、10月26日に列福調査の手続きが開始され、彼女は「神のはしため」と呼ばれることになりました。シスターイグナチア・バッラは、この日は「私たち修道会にとって非常に歴史的な日です」と言っています。この調査は、教区長レベルと列聖省レベルでの「調査準備」、「審査」が行われることになります。
◆10-4 アルベリオーネ神父の晩年
- 1) 80歳を迎えて
- 2) 聖パウロ女子修道会創立50周年を迎えて
- 3) 付け加えられた「30分のパーソナルな祈り」
- 4) 変化と刷新の波の中で1
- 5) 変化と刷新の波の中で2
- 6) 1969年:特別総会の年(聖パウロ女子修道会)
- 7) シスターテクラ・メルロの列福調査開始