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新世紀ルーツへの巡礼

目次

福者ヤコブ・アルベリオーネ神父を訪ねて

17) ローマ 城壁外の聖パウロ大聖堂

今回は、ローマにある城壁外の聖パウロ大聖堂をご紹介します。

聖パウロ大聖堂

城壁外の聖パウロ大聖堂(サン・パウロ・フォーリ・レ・ムーラ)という名前は、ローマ市の町を取り囲む城壁の外に建てられたことから名づけられましたが、通常は、“バジリカ・サン・パウロ”と呼ばれています。

この教会は、聖ペトロ大聖堂、ラテラン大聖堂(サン・ジョバンニ・イン・ラテラーノ)、聖マリア大聖堂(サンタ・マリア・マッジョーレ)と並ぶローマの4大バジリカの1つです。

この大聖堂は、324年、コンスタンティヌス帝によって、パウロの墓の上に建てられました。何度か修復された後、1823年の大火災によって、聖堂の大部分が焼けてしまい、1824~54年にかけて復元され、1931年に現在の聖堂が完成しました。

聖パウロ大聖堂

聖パウロ大聖堂モザイク

聖堂正面の門をくぐると、剣と聖書を持った力強いパウロの像が迎えてくれます。そにこは、周囲に列柱廊をめぐらした四角形の前庭があり、聖堂入口の正面中央には、聖年に開けられる4つの聖なる扉の1つがあります。

聖堂前にある聖パウロの像 中央にある聖なる扉
聖堂前にある
聖パウロの像
中央にある
聖なる扉

りっぱな扉を通って聖堂に入ったとたん、その大きさと美しさに圧倒されました。

側廊の上の壁には火災から免れた5世紀のモザイクがあり、祭壇の上方は13世紀のゴシック風の美しい天蓋が設置されています。
 天井に広がる金色の美しい模様の中にある教皇たちの紋章は、荘厳な雰囲気を感じさせます。

身廊の穹窿(きゅうりゅう)の細部にあるキリストの顔 天井の紋章
身廊の穹窿(きゅうりゅう)の
細部にあるキリストの顔
天井の紋章

側廊の一番上には、窓と交互に36のパウロの生涯をたどるフレスコ画があります。
 その下には、初代教皇ペトロからはじまり、現教皇までの歴代教皇の円形の肖像が飾られています。現教皇の横には、空の額だけが置かれていました。

13世紀にヴェネツィアの芸術家によって描かれた祭壇の後方のモザイク画は、左から、ルカ、パウロ、栄光の座につかれた救い主キリスト、ペトロ、アンデレです。キリストの右足元には、このモザイク画を描かせた教皇ホノリウス3世が描かれ、その下には、福音史家と使徒たちが描かれています。

救い主キリストが持つ書には、次のように書かれています。
 「わたしの父に祝福された人たち、天地創造の時からお前たちのために用意されている国を受け継ぎなさい(マタイ 25.34)」。

ヨハネ・パウロ2世の肖像と空の額 祭壇の後方のモザイク画
ヨハネ・パウロ2世の肖像と空の額 祭壇の後方のモザイク画

正面祭壇には、大火の際に焼け残ったカンビオの聖櫃天蓋があります。この天蓋は、1285年に造られました。斑岩(はんがん)の4本の柱には、豊かな装飾柱頭があり、その上にパウロ、ペトロ、テモテ、ベネディクトの像、小さな円花飾りを持つ天使の浮き彫りがほどこされて重厚なおもむきをかもし出していました。

聖櫃天蓋
聖櫃天蓋

正面祭壇の左右には、ペトロとパウロの像が、祭壇を守るように立っています。

ペトロの像 パウロの像
ペトロの像 パウロの像

この聖堂には、他にもいくつかの礼拝堂があり、その一つに聖母の祭壇があります。この祭壇は4本のコリント式円柱から成っていて、左右にはスコラスチカとベネディクトの像、さらにラファエロの下絵を元に、ジューリオ・ロマーノによってモザイク画に描いた“マリアの戴冠”が飾られています。

聖母の祭壇 秘跡の礼拝堂
聖母の祭壇 秘跡の礼拝堂

そして、秘跡の礼拝堂は、1725年の聖年に、14世紀の十字架を収容するために造られました。この礼拝堂は、1540年、イグナチオ・ロヨラが、ここで誓願を宣立し、イエズス会「コンパニア・ディ・ジェズ(イエスの仲間)」を創立したことでも知られています。

イタリアのどこの聖堂も、大きく荘厳な聖堂ですが、この城壁外の聖パウロ大聖堂は、桁違いに大きく、ここで行われた創立者の列福感謝のミサの後、バタバタと見て回ったため、残念なことに、古い修道院の雰囲気を残す回廊を見損なってしまいました。

次回は、パウロが斬首されたトレフォンターナをご紹介します。

◆福者ヤコブ・アルベリオーネ神父を訪ねて


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