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新世紀ルーツへの巡礼

目次

もうひとつのうまぶね 「師イエズス修道女会」

1)師イエズス修道女会の誕生

マエストラ・テクラ 手書きの規則書
マエストラ・テクラ 手書きの規則書

2月10日はパウロ家族修道会のひとつ、「師イエズス修道女会」の創立記念日にあたります。
 「師イエズス修道女会」誕生のルーツは、どうだったのでしょうか。
 今回は、そのルーツをたどってゆきましょう。

1923年3月23日、マエストラ・テクラとスーザにいた姉妹は、アルバのグループに合流し、新しい生活をはじめました。これはいろいろの意味で、そんなに簡単なことではありませんでした。しかし、だんだんそれも解消し、マエストラ・テクラは彼女なりの規範にそって規律を保ちながら、みなにやさしく接することによってそれを緩和していきました。

 重要な別れ

ひとつの共同体として、アルバの聖パウロ女子修道会の生活がはじまってまもなく、さらに重要なひとつの別れ、細分離の準備がすすめられていました。

アルベリオーネ神父は、マエストラ・テクラに「私の意向で2人を別にしてください」と言われました。
 これが、師イエズス修道女会のはじまりです。

その1人、オルソラ・リバータが修道会に入会したのは、1922年7月31日、彼女が25歳の時でした。

アルベリオーネ神父は、1923年11月21日、聖マリアの奉献の祝日に、一同を台所に集め、「オルソラ・リバータと、メティルデ・ジェルロットの2人を別にしてください」と言われたのです。

彼は、教壇のようにしたかったのでしょうか、箱を用意し、その上に上り、はっきりした声で「彼女たちに別の使命を与えます」と言われたのでした。

オルソリーナ・リバータと、メティルデ・ジェルロットとを、聖パウロ女子修道のグループから選び分け、新しい生活規律を作り、彼女たちのために準備をととのえました

新しい生活規律の基本には、聖体礼拝(当時は、「賛美」と呼んでいた)があり、同時に「かくれた犠牲」、「沈黙」の要素がうたわれています。

その当時のことについて、師イエズス修道女会のシスターが、次のように語ってくれました。

 アルベリオーネ神父様が、「私は、オルソリーナとメティルデを別にして、ひとつの使命を委ねます」と言われたとき、そこには感動を秘めた沈黙がただよいました。
 その沈黙の後、若い方のメティルデは、思い切って彼に尋ねました。
 「私たちは何をすればよろしいのですか」と。
 すると、アルベリオーネ神父様は、「沈黙、沈黙、沈黙をするのです」と答えられました。

 このアルベリオーネ神父様の言葉は、後に会憲が作られた時に、成文化されました。
 沈黙こそ私たちの修道会のはじめから、アルベリオーネ神父様が、私たちに繰り返し強調した教えなのです。内的生活が満たされた状態の沈黙は、私たちの生活形態の特色、使徒的効果をもたらす泉です。
 この出来事は私たちに、*1聖書に書かれている使徒パウロとバルナバを別にしてください、ということを思い出させるのです。
 そして、アルベリオーネ神父様は、言われました。
 「今から聖師の家(アルバの最初の小さい家)に行きましょう」と。

最初の家

●この家は小さいだけでなく、ボロボロでした。聖パウロの家と、「摂理の家」の間にあった小さな家ですが、今はもうありません。

●この家は、本当に小さい家でした。しかも、何もない、ベツレヘムのような馬小屋でした。

●後年、創立の記をたどったマードレ・ルチアは、「このころの記録は、世界の歴史書には書かれていませんが、歴史の中で一番貴重なページです」と言っています。

そうです。パウロ家族の一つひとつは、馬ぶねからはじめられましたが、師イエズス修道女会もそうでした。ベツレヘムの、もうひとつの馬ぶねからの誕生でした。

アルベリオーネ神父は、「摂理は、……目的に従って幾多の道を整え、それらの道を目的に向けて集中させる。照らすとともに必要な援助で包み、自分の時を平和のうちに待たせる。いつも馬ぶねから事をはじめさせる……」と霊的手記でつづっていますが、このたびもそうでした。


注釈:

*1 聖書に書かれている使徒パウロとバルナバを別にしてください
  使徒言行録(13.1~2)には、バルナバとサウロ、宣教旅行に出発するときの様子を次のように書き記している。
   アンティオキアでは、そこの教会にバルナバ、ニゲルと呼ばれるシメオン、キレネ人のルキオ、領主ヘロデと一緒に育ったマナエン、サウロなど、預言する者や教師たちがいた。
   彼らが主を礼拝し、断食していると、聖霊が告げた。「さあ、バルナバとサウロをわたしのために選び出しなさい。わたしが前もって二人に決めておいた仕事に当たらせるために。 

◆4--1 もうひとつのうまぶね 「師イエズス修道女会」


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