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新世紀ルーツへの巡礼
6--3 旅、そして旅
2) アルベリオーネ神父とシスターテクラ・メルロ はじめて東洋へ
飛行場で
1949年4月、アルベリオーネ神父はシスターテクラ・メルロを伴い、東西の諸修道院、インド、フィリピン、日本、メキシコなどに開設された拠点の4カ月に渡る訪問旅行に出発します。
同年、9月にはフランスとスペインを訪問しています。
アルベリオーネ神父の長いこと待ち続けていた旅、東洋への旅は1949年4月3日にはじまりました。
彼は、インドのアラハバドから第1回目の「旅行記」を会員に送っています。その旅行記を、次のようにはじめています。
愛する兄弟たち、カトリック信徒はだれでも東洋を愛している。
東洋は、世界の総人口約12億の半数以上を占めている。この東洋とは、トルコ、イラク、インド、中国、フィリピン諸島、ジャワ、ボルネオ、モンゴル、朝鮮、満州、日本などを指している。
この東洋はイエス・キリストから、いまだこんなに遠い。回教徒、仏教徒、道教信徒、神道信者、ヒンズー教徒、あらゆる宗教の信徒たちがいる。
この東洋は、善良、堅実、温和で将来性がある。
この東洋は、新大陸探検家、征服者たち、商人や共産主義者たち、そして多くの搾取者たちの標的であった。
この東洋は、使徒聖トマ、聖フランシスコ・ザビエルのように人々の魂を求める宣教師たちが目指し、多くの殉教者たちの血が流れたところである。
この東洋に教会は両腕を差し伸べている。
少しここに踏みとどまり考えてみよう。イエス・キリストの流した御血は無駄だったのだろうか。
人々の魂の希望は、聖フランシシコ・ザビエルの仕事は、永久になくなったのだろうか。
アルベリオーネ神父とシスターテクラ・メルロの飛行機は、4月3日定刻にローマを出発しました。「エアフランスとパンアメリカンとバルト航空の人たちは、あらゆる面で非常によくしてくれた」とアルベリオーネ神父は書いています。
彼は、旅行中のことをいろいろと報告していますが、インドに到着するまでのいくつかのことをご紹介しましょう。
・アテネに11時30分に着いたときには、ここでの聖パウロの滞在とアレオパゴスでの説教を思い記念した。
・イスタンブールには……5つのカトリック教会があり、そのうちの2つはよく知られていて、人々がたくさん通っている。ここには20種類の新聞があり、多くの映写機がある。v
・4月4日(アルベリオーネ神父の誕生日)のミサは、個人的に熱心にささげる理由がある。
つまり、非カトリック者(トルコでは人口の9割が回教徒)と私たちすべてのための特別な意向である。
・宿泊所において、多くの、また種々の異なる人々の間で善が行えること、国際パウロ書院の可能性や映画の仕事などが行えることを話してくれた。ラジオの可能性についても話してくれた。
・カテケージスの働き、カトリック色のあるダイジェスト版、子どもの雑誌は最も必要な企画である。
・パレスティナの上空を飛んだときには、師イエスとおとめマリアに感謝した。彼らは東洋を聖地としたのだ。
・ダマスコでは伝統より新しい生活が目立っていた。戦争の生々しい傷跡、多くの兵士たちや戦車の存在は、聖パウロの回心という大切な考えから気を散らさせはしなかった。
・イエス・キリストが出現した教会は、町の新しい中心地より4kmのところにあり、ローマの大きな道のように往来が激しい「直線通り」は、聖アナニアの家に導く。建物はカタコンベのようで、その時代のものだが、敬虔(けいけん)な感じがし、公のものである。
イコンは聖パウロの洗礼を表している。時間が少なかったが、すべてのパウロ会会員の名で、偉大な回心のゆえに「栄唱」を3回唱えた。「師イエス、不敵の迫害者から教会の熱誠あふれる使徒に変えてくださった大いなるあわれみに感謝いたします…」と。
・ダマスコでのミサは、回心した私たちの父パウロに感謝のミサをささげ、私たちの回心を祈り求め、すべての人と使徒職のための嘆願をした。
・使徒の女王大聖堂は、あらゆる召命のための祈りの中心であるように。彼らはキリストを運ぶ者、ザアカイの家でのお告げの後のおとめのように、使徒に変えられた12人のように、教会と共に教会の中でキリストを運ぶ者でなければならない。
・ダマスコ、回心者のふるさと、……輝かしい使徒職のあけぼのであるダマスコにパウロ家族は特別なまなざしを向ける。
・イラクとイランでは、それぞれ降りて祝福し、彼らのためにロザリオを唱え、……この地の聖人たちと保護者に祈る。
・世界は急速に進展している。住民の中心地、および文化の中心地と商業の中心地は移動する。平穏で急速な改革は、印刷、ラジオ、映画、TV、航空業界、政治的、社会的、工業的動向や核エネルギーをとおしてくる。……宗教が常に存在する必要がある。
・聖師イエスに反対の教えは数多い。しかし、イエス・キリストの座とその代理者の座は特別の権威をもっている。世界の果てまで福音をもたらすために常に中心から汲むこと。
アルベリオーネ神父は、この東洋を訪問中に、福音を受容する心を準備し、東洋のすべての人がイエス・キリストを知るようにと、異邦人の使徒に向かう祈りを作成しました。
アルベリオーネ神父が内的手記に書き記した言葉、「アジアとアフリカが特に彼の心を打った。人は自分から離脱すればするほど、イエス・キリストが人類にもたらされた天の賜物を、いまだに手にいれていない気の毒な人びとが必要としていることを広く深く感じるものである。そしてこの気持ちは、主との親しみに深く入っていくほど、いきいきとしてくるのだ」が思い起こされます。
◆6--3 旅、そして旅
- 1) 新たな旅のはじまり
- 2) アルベリオーネ神父とシスターテクラ・メルロ はじめて東洋へ
- → 聖パウロに向かって東洋のためにする祈り
- 3) インドへ
- 4) シスターテクラ・メルロ、フィリピンへ
- 5) フィリピン諸島から
- 6) ついに見ることのできなかった中国
- 7) ベルティーノ神父の証言からみる中国(1)
- 8) ベルティーノ神父の証言からみる中国(2)
- 9) ベルティーノ神父の証言からみる中国(3)
- 10) ベルティーノ神父の証言からみる中国(4)
- 11) ベルティーノ神父の証言からみる中国(5)
- 12) ヴァラルド神父の中国への旅の回想から