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新世紀ルーツへの巡礼

目次

　新しい世紀に向かっての歩み

20) 第9回総会

「総会文書とパウロパンフレット」

修道会は2007年に行われる第9回総会の準備に入り、世界から集められた会員による総会準備チームが2006年に設置されました。
準備委員会は、聖パウロ女子修道会の召命の起源に立ち帰り、新たな希望をもって未来を見つめたいと会員に伝えています。

この準備委員会から会員たちに提供された資料に基づき、修道会は準備のプロセスに入りました。その実践方法はレクツィオ・ディビーナの方法がとられました。これまでの歩みとは異なり、内省、いわば内向きな方法と言えるものです。時がそれを求めているのでしょうか。

2007年1月に行われた管区総会は、総会のテーマ「キリストにおいて選ばれ、愛され、みことばをすべての人に伝えよう」を深め、パウロ的修道生活を刷新するための3つの領域、つまり、「関わりの質」、「使徒職をカリスマの観点から見直す」、「権威と従順の福音的奉仕」に基づいて行われました。

これらのテーマは、会員へのアンケートから浮かび上がった緊急の課題であると準備委員会は言っています。そこで総会においてもこのテーマを深め、次の6年の目標を決めていきます。つまり、修道会のアイデンティティーを再確認し、再出発したいということです。

修道会は深いところでの変革が必要であり、それは緊急であるということです。
修道会の中で新しい使徒職のあり方は、手探りの状態です。開かれた共同体、開かれたメンタリティーが挑戦してきます。

これからの使徒職を行っていくにあたり、使徒職をカリスマの観点から見直していく必要があります。準備委員会は今までの歩みを振り返り、現在行っている使徒職の評価、見直しが必要であると言っていますが、出来事と人とを分けて考察することが難しい中で先に進んできたことへの意見が述べられました。「今日、本物の福音宣教をしているでしょうか」と準備委員会は問いかけています。

会員のアンケートの答えから「識別」というキーワードが浮かび上がってきました。絶えず識別していく必要があるとはいえ、今の時代こそカリスマに基づく評価、見直しを行い、これからのために識別が求められているとの回答でした。このためにも創立者に聴き、今の時代に照らした創造的な忠実が必要です。

2007年8月20日～9月20日までの1カ月アリッチャで第9回総会が開かれました。
参加者たちを見ると世代交代、世界各国の地域からのメンバーが増えていたという特徴があります。過ぎ去った6年間の歩みの報告、テーマを深めるためのインプット、向こう6年間の目標が決められていきました。

総会文書はこう言っています。

私たちの模範は、霊感を受けた愛の著述家、パウロです。キリストへの情熱と使命への情熱を再び燃え立たせるために、絶えずパウロに触れましょう。「聖パウロが伝える光の輝きを見るように目を開こう。生き生きした慈しみの光、温かくいのちを生み出す光である」。

この6年間、私たちの歩みの道しるべとなるのは、「いっそうパウロ的アイデンティティーをもった修道会となるために、その価値を再発見するように招かれている人」パウロです。それは、キリスト・イエスにおける御父との基本的関わりが、共同体と使命における関わりの質を決め、救いのみ言葉の実り豊かな告知を保証し、全存在をあげてみ言葉である神に一致しながら互いに耳を傾け合って権威と従順の奉仕を生きるようにさせるためです。

総会を結ぶにあたり、アルベリオーネ神父の招きを受け入れながら、使徒パウロの模範と教えの中に、パウロと共に次の6年間を、パウロ的アイデンティティーを深める特別な時として生きる決意をしたのでした。

総会終了にあたり、出される総会文書は、「使徒パウロ」で彩られていましたが、いみじくもベネディクト16世教皇は、2008年6月30日～2009年6月29日の1年間を全教会に向けて「パウロ年」とすることを発表されました。修道会の歩みを神が応援してくださっているという神のあわれみを、会員たちは実感したのでした。

総会の決定事項に基づき各管区は、管区の歩むべき目標を定めました。

パウロ年において、パウロ家族は使徒パウロをできるだけ多くの人に知ってもらいたいとの望みで出版を行い、各地で使徒パウロを知らせるための集いも行い、また教会活動に協力していきました。

パウロ家族全メンバーは1年間使徒パウロの書簡を同じ箇所を読みながら共に深め、また分かち合いました。イエス・キリストの使徒たちがキリストとの出会いによって、どう変えられどのように生きたのかなどを学んでいきました。教会が大事にしてきたレクツィオ・ディビーナの方法がとられました。
また、この時に使徒パウロの賛歌もいくつか誕生し、賛歌を歌いながら、使徒パウロの励ましをいただきました。

◆11-新しい世紀に向かっての歩み

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